今日のネタ帳

悪ふざけの話中心です。笑っていただければ幸いです。

東京医大の女子一律減点の議論にみる、頭はいいけど問題解決能力に乏しい人の見分け方。

東京医大の入試で、何年にもわたって女性受験者が一律減点されていた、という。

ぼく個人的には今回の話、入試の不透明さが一番の問題かと思う。

例えば医学部には地域枠というのがあって、地元出身者と一般受験者は違う基準で合格が決まる。ざっくり言えば地元出身者は優遇される。
また、昔から、自治医大では各都道府県から2名前後ずつ学生を採用するので、出身県により倍率が異なる。人口が少ない県では競争率が低く、人口が多い県では競争率が高い。
これらは試験前に受験生に対し明示されている。

また、以前50代女性が群馬大医学部を落とされたが、年齢により足切りが明示されなかったことが最大の問題であった。

 

twitterで知ったんだけど、東京薬科大学の入試要項では、はじめから「男子部何人」「女子部何人」と明記されている。それを納得して受験するのであれば、ひとまずいいわけで。だから女子学生を少なく採りたいんだったらはじめから男女枠を作って明示すればいいんだと思う。
「男女で入学枠に差があるのはおかしい」という議論にはなるけれど、少なくとも受験者の知らないところでかってに女子一律減点というアンフェアさはない。

 

で、主にtwitter論壇での今回の議論をみると、頭が良くても問題解決能力に乏しい人というのがいるということを実感する。


頭がいいが問題解決能力に乏しい人の見分け方がいくつかある。以下記すのでご意見いただければ幸いである。

 

頭がいいが問題解決能力に乏しい人の特徴① 近因原理=「近因を見て遠因を見るべからず」がわからない。

 

近因原理、「近因を見て遠因を見るべからず」というのが分からぬ人は現実的問題解決能力に乏しい。
今回の某医大の女子一律減点問題でも、「男の医者も女医も負担が大き過ぎるのが問題」とか言ってドヤ顔してそれで事足れりとしている人なんかはその一例。
確かにそのこと自体は真実でも、もっと手前に解決しなければならない問題、入試の不透明性がある。同じ受験料払っているのに女性だからといって知らない間に断りなく減点されたのだ。アンフェア以外の何物でもない。


女子一律減点問題の遠因ばかりを語って行くと最終的には「人間に性別があるのがいけない」とかになって本人は深いこといってるつもりで何の解決にもならない。
自分がどのフェイズ、レイヤーの話をしているか無自覚だとそうなる。

 

頭がいいが問題解決能力に乏しい人の特徴② マクロとミクロを切り分けられない


特徴の②は「マクロとミクロを切り分けられない」こと。

例えばロスジェネ世代の非正規雇用の多さというマクロ的構造的問題を論じているときに「探せば就職先はある」「努力して起業したロスジェネもいる」と(無自覚に)ミクロな視点の話をして反論・論破した気になって悦にいる人。

 

社会的なLGBTの生きづらさというマクロ的な話をしているときに「自分の知り合いのLGBTの人は困っていない」というような話持ち出す。持ち出すのはいいがマクロとミクロは別のlogicが働くというのがわからない。

 

頭がいいが問題解決能力に乏しい人の特徴③ ざっくりした数字に落とし込めない


また、ざっくりとした数字におとしこめないひともいる。
こうしたひとは「学校の生徒全員が平均点以上とれるように頑張ろう!」とか平気で言う。

「ざっくりとした数字に落とし込めない」例として、時間感覚もある。
今回の例で言えば、「男女とも働きづらい医療現場」を改善するのに何年かかるのかという時間的ロードマップをぼんやりとでも考えず「本質は医療現場のあり方。そこを改革しないと根本的に問題解決しない」と言い出す。
それも大事だけど、その改革が完成するまで何年かかるのか。小松秀樹氏の『医療崩壊』が出版されて十数年が経つが状況は改善されたのか。
根本的解決が成し遂げられるまで、何年もの間、女子受験者にアンフェアな思いをさせるのか。

 

今回の件、「究極的には男女受験者が公平に扱われるべきだが、本学の教育能力を踏まえて本年度は男性〇〇人、女性〇〇人の学生を募集する。その条件でよければぜひ受験してほしい」と前もって言うべきで、それはその気になれば来年度から可能な話。

 

頭がいいが問題解決能力に乏しい人に絡まれたらどうするか

 

「近因を見て遠因を見ず、がわからない」「マクロとミクロを切り分けられない」「ざっくりとした数字に落として考えられない」という頭のいい人が厄介なのは、壮大なことを論じて気持ちよくなっているうちに、次に論じる社会的トピックが勃発して、結局現実的な問題は解決されずにそのままということがよく起こるから。

 

twitter論壇を眺めてると、戦線拡大する人ばっかりみたいで、ああこれ結局なにも解決しないやつだ、と脱力している。実務家が現場にいることを祈る。
リアリスト・ウィズアウト・イリュージョンを目指すなら、着眼大局着手小局というのをやらないとねえ。

 

こうした人、やっぱり頭はいいんですよ。構造的な問題を深堀りしたり、反証を見つけてきたりって意味では頭いいんだけど、一緒に手を動かして汗かくには向かない、という感じですかね。

そうした頭はいいけど問題解決力に乏しい人に絡まれたら、参考になるとこだけしっかり参考にさせていただき(頭はいいので背景分析としては興味深かったりする)、実際のアクションメンバーからは距離を置いていただくのが吉。ラッキーアイテムは模造紙。あ、なんでこんなところにキャバリアキングチャールズスパニエルがいるんや…

 

頭がいいが問題解決能力に乏しい人に望むこと

 

頭がいいが問題解決能力に乏しい人に望むことは、問題解決しなくてもいいから、近因を論じているのか遠因を論じているのかに自覚的になってほしい、と思うわけです。
それでもって、まずは近因から取り掛かって問題解決をしようとしている人に「遠因はこう。それは根本解決でない」とかいって水ぶっかけないでほしいな、と。

今回の件で言えば、「医療界にはびこる男尊女卑が完全になくならないとなにをしてもムダ」という人がでてきて、それで結局なにも変わらない、という事態がすごく嫌だなーと思う。

 

この問題に限らず、問題解決にはある種の蛮勇が必要で、例外事象とかをえいやっと棚上げする勢いみたいなのが必要だと思うんだけどね。

要は、社会問題に直面したら、まず目の前の問題に着手し、PDCA回しながら、並行して粘りづよくよい社会を作りましょうってのが言いたいことです。

あきらめず、気負い過ぎず着実に、みんなで進んでまいりましょう。One Love。