子供たちに大人気の「機関車トーマス」。しかしその「機関車トーマス」が、恐ろしい陰謀によって作られ、世界中で放映されているのだと知る人は少ない。
トーマスやヘンリー、ゴードンといった蒸気機関車たちは今日も、「役に立つ機関車」でなければダメと洗脳されただただ敷かれたレールの上を馬車馬のように走り続ける。
彼らに上から目線であれこれ指図し、そして巧妙に労働を搾取し続け君臨する資本家トップハム・ハット卿。
この関係性になんの疑問も持たずに「やりがい搾取」に気づかないままトップハム・ハット卿に隷属し、蒸気機関車にただただ身を引かれてゆくアニーやクララベル、ヘンリエッタら貨車たち。
空にはハロルドやタイガー・モスたちがトップハム・ハット卿の意のままに飛び回り、七つの海すらキャプテンやバルストロードといった手下たちが支配する。
トップハム・ハット卿に従わぬ者は存在すら許されず、「スクラップにするぞ」の一言で黙らされる。
絶対君主トップハム・ハット卿と、絶対家臣トーマスたち。
そしてなにより、彼らのやりとりを子ども向けアニメに仕立てあげ世界中に普及させる大英帝国の末裔のテレビマンたち。
こうして今日もまた、グローバルハイパーアンドサイバー資本主義は強化されていくのである。