今日のネタ帳

悪ふざけの話中心です。笑っていただければ幸いです。

召喚!カント先生~杉田水脈議員「『LGBT』支援に度が過ぎる」とどう対峙するか。

新潮45の、杉田水脈議員の記事を読んだ。
子どもを産まないLGBTの人たちは生産性が低く、そうした人たちに税金を投入するのはいかがなものか、というのが杉田議員の主張の一つのようだ。

ぼくは違和感と不快感を感じ、深いため息をついた。うまく言えないが、なにかがおかしい。なにかが…。

その瞬間、変なおっちゃんが現れた。


「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!まいど!カントでおま。

なになに?今、自分ため息ついてたやろ。なにがあったん?なんでも相談乗っちゃるで、おっちゃん訳知りやさかい。自分、なんか悩んどんのかいな」

誰ですかあなた?

「わしじゃわし。かの有名なカント先生じゃ」

はあ。

それはともかく、この雑誌の記事なんですが、うまく言えないけどおかしい気がします。LGBTでも仕事ばりばりして生産性の高い人もいるわけだし。

 

「あーなになに?LGBTでも生産性の高い人はいるやて?

あーあかんあかん、それいっちゃんあかんやつや」

え?

 

「あんな、『LGBTでも生産性の高い人はいる』とか、『障害をもっていてもこんなに素晴らしい才能がある人もいる』っていう反論はな、その時点で相手の土俵に乗ってんねん。じゃ、生産性の低いLGBTの人とか、才能なくて障害がある人とかはどうでもええんか、ってことやからな」

 

じゃあどうすれば…

「ええか、おっちゃんこれから大事なこと言うさかいよう聞いてや。

人間ちゅうのはな、だれかの役に立つから尊いんちゃうねん。人間存在そのものが尊いっちゅうねん。

ええか、だれかを何かの手段として見たらあかんねや。人間の存在っちゅうのはな、手段やない、あえて言えば目的なんや。尊いものは尊いっしょ、ダメなものはダメっしょ、山も動くっちゅうねん」 

 

そうは言っても 生産性の低い人に税金を投入し過ぎるのは問題な気もするし…。

「ああもうじゃんくさい!あれもこれもコーリ主義のせいやベンサムの野郎」

コーリ主義?

「なんや自分、コーリ主義も知らんのかいな。コーリってのはな、人間にとってはえらい冷たくて、こんな暑い夏にはゴリゴリゴリって削ってシロップかけて食べたら最高やで…ってそれは氷や!」

……。

「……」

……。
「……」

……。

「……」

……。

「……えらいことサムいやないか、氷だけに。

ま、気を取り直していうとな、功利主義ってのはものごとっちゅーのは役に立つか立たないかで価値が決まるっちゅう考え方やな。功利主義もええけど、人間存在そのものなんかに無制限に応用していくとな、えらいことになるで」

えらいこと?

「一言でいえば、地獄やな。役に立つ人間は価値がある、役に立たない人間には価値がないって考え方を暴走させてみい。役に立たない人間は生きる資格がないってなるで。例の生産性がない人間はなんちゃらってやつや」

それってしかたないんじゃ…。

「どアホ!生産性が高いなんていばりくさっている人間もな、事故や病気になれば一気に生産性なんて下がるんやで。しかもな、人間は誰だって歳を取る。100mを10秒で走れる人間も、歳をとれば走れなくなるんやで。

生産性の高い人間だけが生きる資格があるなんて世の中つくりあげてもうたら、あとで困るのは自分やで」

はあ…。 

「なんや自分、ピンとこない顔しとるな。

わしこう見えてもえらいこと影響力あんねんで。

たとえばな、ヨーロッパの人らぁがぎょうさん難民受け入れたりしてるやろ。あれは別に難民の人らぁが役に立つから受け入れてるわけやあらへん、人間存在そのものが尊いから受け入れてるわけや。たぶんこれな、わしの考えの影響あるで。

そこらへんよう知らんとヨーロッパの人らの考えはわからんで。それからな…」

おっちゃんの話がまだ続くかと思いきや、おっちゃんはぱっと話をやめた。

 

「あ、時間や!もう行かな。わしゃこう見えて、時間に正確で有名なんやで。パンクッチュアルてやつやな。ほなわし行くわ。ツレのガネーシャがまっとるさかい」

そういうとカント先生は煙のように姿を消した。