今日のネタ帳

悪ふざけの話中心です。笑っていただければ幸いです。

東京周辺県出身者は「翔んで埼玉」を見るべし【ネタばれアリ】

以下ネタばれアリなので、まずは『翔んで埼玉』を観ていただきたい。話はそれからだ。

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しつこいが以下ネタばれアリ。

 

「東京のまわりの県の出身者は歪んだコンプレックスを持ってるんですよ。北海道や九州の出身者なら、故郷を捨てて東京に出てくるという物語があるが、東京のまわりの県出身者というのはそこまでの意気込みもなく、かといって東京出身者と対等でもない。歪んだコンプレックスをもって生きているのが、東京のまわりの県の出身者なんです」。そんなことを群馬県出身の糸井重里が言っていた気がする。たぶん雑誌『東京人』のバックナンバーをあさると出てくるはずだ。

 

1973年・千葉県生まれのぼくにとって、東京まわりの県出身者の歪んだ心象を描く作品といえば、マンガ「進め!パイレーツ」や「こちら亀」の大原部長の家の描写、すこし年代があがって小説&映画「下妻物語」、映画「サイタマノラッパー」あたりか。
東京周辺県出身者というのは故郷を捨て切れず、かといって全面的に故郷に酔えるわけでもない。あ、横浜の人は別ですが(ひがみ)。

映画の原作マンガ「翔んで埼玉」はもちろんリアルタイムで読んだ。

あれから時は流れ、よもやこんな大規模な映画になるとは。よくもまあこの企画で出資者たちを納得させ、しかも興行的に成功させたものだと驚嘆する。

東京まわりの県出身者の方々、ぜひ映画館へ足を運んでほしい。100%損はしないし、かなりの確率で映画を見たあともテーマソングが頭に鳴り響く。そんでもってぜひ語り合いましょう。

 

もうね、Gacktが夜のエアポートでプライベートジェットをバックに降り立つシーンでこの映画が成功だとわかる。マンガのまんまなんだもの。

 

そして近年の過剰なポリティカルコレクトネスもどきやお気持ち尊重を土足で踏みにじるが如きdisの嵐。

映画『ムーラン・ルージュ』のごとき、池袋のビルからの夜景。

すべてが過剰ですべてが無駄がないという奇跡の「茶番劇」。

中途半端な忖度や生煮えの寸止めはなく、暴走につぐ暴走。すべての穴にピーナツを詰めてやれ!あと常磐線はあんなじゃない。

映画見た人と延々と狭山茶草加せんべいを手に語り合いたい。

 

以下ネタばれだが、映画の中でGacktが夜空を見上げながら「夜空にはさまざまな星がある。それぞれが輝くことで夜空は美しい」的な話(うろおぼえ)するじゃないですか。あれはたぶん、東京をうち倒すだけではない、東京の圧政に耐えている関東諸県(除く神奈川)がそれぞれに輝くのだ、という話だと思うんですよ。

にもかかわらず、「日本埼玉計画」ひいては「世界埼玉計画」を堂々と掲げるという節操のなさが素晴らしい。それぞれの県、それぞれの国がそれぞれに輝くんではなく、世界を「サイタマ」一色に染めてやろうってことですから。

 

世界史を振り返っても、「劣位」とされた文化が気が付くと世界を席巻しているなんてことはよくある。

リー・アイアコッカの自伝には、「子供のころイタリア移民の子供だった自分は、『ピザなんて変なもん食べてやがる』といじめられたが、今、世界中で愛されているのはチェリーパイじゃなくてピザじゃないか!」と息巻いていた記載があった(と思う)。

ジャマイカ系移民が持ち込んだDJスタイルというビートに乗せた「しゃべくり」は今やRapとなりHip Hopという超巨大ムーブメントとなって世界を染め上げている。

だから、山田うどんしまむらが世界中を染め上げることだって、当然のことなのだ

とにかく、「翔んで埼玉」を東京周辺県出身者は見るべきだ。

国内でロングランになれば「翔んで埼玉」が海外でも広く観られるだろうし、大きな誤解に基づいて中国の農村戸籍の人々の解放のシンボルとなったりしたら興味深い。よう知らんけど。

 

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