「俺も昔は悪かったんだよ」と言いたがる男の人は昔からいる。
なぜかそういう人の大半は今現在はしょぼくれた感じだったりするので、「俺も昔は悪かったんだよ」と言われた側はあいまいな笑顔で柿ピーをつまみながらジンロでも飲むしかないのが現実である。
しかしながら「俺も昔は悪かったんだよ」という人の中には、時々ほんとうに悪かった人がいるので要注意だ。
現在生きている人の中で筆頭はフィリピンのドゥテルテ大統領で、この人は大統領になる前のダバオ市長のときに犯罪者などを法に基づかずに勝手に「処刑」していたともいうのでおだやかではない。
「俺も昔は悪かったんだよ」と酔っぱらっていう人の多くは現在に不満を抱えていてくすぶっているのだが、中にはさまざまな思いをバネに実世界でも出世コースに乗る者もいる。実は誰もが知る有名人も、「俺も昔は悪かったんだよ」とうそぶきながら出世の階段を上っているのだ。
「俺も昔は悪かったんだよ」業界の中で一番有名なのは誰かご存知だろうか。
歴史上、一番有名なのはアメリカのジョージ・ワシントン元大統領である。
ジョージ・ワシントンといえばご存知の通り、アメリカ合衆国の栄えある初代大統領である。そんじょそこらのおっちゃんとは違う。
このワシントン、「子どもの頃、親父のオノを盗み、授業をさぼっては桜の木を切っていた。正直に言ったら許してもらったけどね。テヘ」と発言し物議をかもしたという。
大統領たるものが子どものころとは言えオノを盗み授業をさぼり、さらには公共物である桜の木を切るなんてなんてことだ、と当然ながら世論は炎上した。
その際、ワシントン大統領は、「うそつきじゃない大人がいることを伝えたかった」としたが、世論の炎上を受けたアメリカ上下院は『不適切だ」とし、撤回を求める決議も辞さない構えだったという(嘘)。
今ではその事実を知る者はいなくなったが、歴史の偉人にも影の部分がある、ということは知っておいて損はない。
なお、このころのジョージ・ワシントン氏の心情を歌った歌が残されている。
歌詞を抜粋し、意訳して下記に載せておく。
行儀よく植民地なんてできやしなかった
夜の校舎 桜の木倒してまわった
逆らい続け あがき続けた 早くフリーダムになりたかった
信じられぬイギリスとの争いの中で
許しあい いったい何 わかりあえただろう
うんざりしながら 独立宣言つくった
ひとつだけ 解っていたこと
この支配からの 独立
(ジョージ・ワシントン『独立』 より)(ウソ)